SDGsをビジネスに活かすには?ビジネスアイデアも紹介

SDGsは、企業も真剣に取り組むことが期待されていますが、近年ではビジネスに取り込む動きが活発化しています。

この記事では、SDGsをビジネスに活かす方法や成功のポイント、ビジネスアイデアについて見ていきましょう

SDGsをビジネスに活かす方法

SDGsをビジネスに活かすには、各企業が日頃から行っているPDCAサイクルのエッセンスを活用するとよさそうです。具体的な方法について、5つのポイントに絞り解説します。

方向性を決定し社内で共有する

SDGsの目標達成に役立ちそうなことをいきなり始める前に、自社としての方向性を決定し、それを社内で共有することが重要です。

その際に大切にしたいのが、企業理念とのすり合わせと、SDGsの達成目標時期である2030年時点での自社の在り方を考えることです。

加えて、SDGs推進の担当者を任命し、チームを結成します。

SDGsと自社事業のマッチングを考える

自社の事業内容や地域貢献してきた内容をピックアップし、それらが地球環境や社会にどれだけのインパクトがあるかを考察します。

そして、それぞれがSDGsのどの目標に貢献できるかを、紐づけて考えるのです。そのとき、洗い出す内容はメインの事業だけでなく、間接部門の仕事も含めるのがポイント。

たとえば、目に留まりにくい部分に、節電・節水などの省エネ効果が期待できるかもしれません。

あるいは、会社全体で取り組んでいる高齢者雇用や働き方改革、防災などの活動が、SDGsに関係することもあります。

SDGsを目指したビジネスの目的や内容、ゴールを決定する

次に、自社の各部署・各担当者が、具体的に取り組める内容を決めます

この点で大事にしたいのが、社内の協力を得やすい目標を立て、なぜその取り組みが自分や会社にとってメリットが大きいのかを示すことです。

特に、中小企業や零細企業は、各担当者が抱えている業務が多岐にわたるため、新たな仕事が発生することに警戒感を持つ従業員も少なくありません。

やってみようと思える内容とともに、継続して取り組める仕組みを作ることが大切です。

結果を振り返る

取り組みの結果を数値などで見える化して結果を振り返り、今後に向けて検証することも大事です。

実際に作業にあたる従業員も、成果が明確になることで、モチベーションを維持・向上できるはずです。

取り組んだ内容を発信する

振り返りの内容を精査し、自社ホームページにアップするなどして外部に発信します。

SDGsに積極的に取り組んでいることを公表することで、ブランディングに役立つだけでなく、新たなビジネスチャンスにつながる可能性があるからです。

SDGsビジネス成功のポイント

SDGsをビジネスに取り入れて成功するには、いくつか重要なポイントがあります。

長期的な視点で考える

特に中小の企業では、1年単位の決算を意識して短期的な目標を立てるケースが目立ちます。

しかし、SDGsに関しては短くて3年から5年、さらに10年単位の長期的な視野で考える必要があるでしょう。

SDGsの目標を達成するには、今までにない斬新な取り組みも求められるからです。資金や人員を含め、長いスパンで戦略を立てられるかどうかが成功のカギだといえます。

経営者がリーダーシップを発揮する

SDGsビジネスは、経営者が先頭に立って物事を進める姿勢が大事になってきます。

目の前にある仕事に追われる従業員と違い、経営者は広い視野で物事を見る立場にあるからです。会社全体としてSDGsに取り組めることを提案し、浸透させる必要があります。

SDGsを活かしたビジネスアイデアの事例

SDGsに積極的に取り組んでいるのが、北欧です。2022年に行われた、SDGsの目標達成に貢献している企業のランキングを見ると、上位は北欧企業で占められました。

この項では、それらの企業のビジネスアイデアを取り上げます。ぜひ、商品やサービス開発のネタとして参考にしてください。

オーステッド(エネルギー・デンマーク)

オーステッドでは、温室効果ガス削減のために、気候科学に基づいた目標を設定。2020年末までに、発電量の87%を再生可能資源から生成しました。

また、パートナーであるサプライヤーと連携して風力発電施設の建設を進め、天然ガスの使用比率を下げることにも成功しています。

クリスチャン・ハンセン(食品・化学物質/デンマーク)

クリスチャン・ハンセンでは、事業に最もインパクトがあるSDGs目標2と3に注力。各目標に紐づく具体的なターゲットを詳細に分析することで、目標到達時期を早めています

加えて、SDGsの取り組みやプロセスを第三者に依頼して検証し、実施の効果性を高めることにも成功しているそうです。

ネステ(石油精製/フィンランド)

石油精製会社として約70年の歴史があるネステでは、1996年時点でメインの事業の強化ではなく、再生燃料技術の開発に乗り出しました

安定した事業を営む企業にとって、これはイノベーションであり、大胆な決定だったといわれています。

社会全体もその必要性を認識していなかった時代から、巨額の資金を投資して新技術の開発をはじめ、今では航空業界などが注目する持続可能な燃料・SAFのリーディングカンパニーにまで成長。

元々、SDGsの目標に向けて取り組みを始めたわけではありませんが、長期的な視点に立った考察が、結果としてSDGsに貢献できる企業に成長した一例です。

【まとめ】SDGsのビジネスアイデアは身近なところにある!

SDGsは、ゴール達成やカーボンニュートラルを目指す2030年、2050年を意識した長距離走です。各企業が長い目で見ながら推考を重ね、効果のある取り組みを進める必要があります。

その際に必要となる自社にしかできないビジネスアイデアは、意外に身近なところにあるかもしれません。それを探し出す作業が、SDGs経営の成功ポイントです。