SDGs海外の認知度はどのくらい?
SDGsの認知度は、海外の国や地域によって大きく異なります。そこでこの記事では、SDGsの海外、日本の認知度について取り上げました。
また、認知度の向上と比例して、新たな課題が浮上してきました。その点も併せて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
SDGs海外の認知度は?
海外におけるSDGsの認知度ですが、2022年の最新データは見当たりませんでした。正確な情報として見つかったのは、2019年9月にイプソスグループが発表した調査結果です。
これは、世界28カ国16歳から74歳の男女、約2万人を対象に実施されたものですが、成人の4人中3人はSDGsをそれなりに認識していることがわかっています。パーセンテージで表すと74%ですので、認知度は比較的高いといえるでしょう。 参考までに、同社の調査データを記載します。
注目したいのは、日本の認知度です。グラフの一番下に日本のデータが記載されています。SDGsについてよく知っている8%、聞いたことがある49%という結果でした。
ここだけ見ると、日本は28カ国中最下位となりますが、あくまでも2019年時点のお話です。最新の認知度は、どの程度なのでしょうか?次項で見ていきましょう。
日本の認知度は著しく向上
日本のSDGsの認知度は、いくつかの調査機関などが最新データを公表しています。ここで取り上げるデータは、2022年のものです。
たとえば、株式会社クロス・マーケティングが2022年6月、全国18歳から69歳の男女2,500人に対して実施した調査結果によると、「SDGsという名称も内容も知っている」「SDGsという名称は聞いたことがある」と回答したのは、全体の82%でした。
2021年に同社が実施した調査結果は67%ですので、日本国内の認知度は著しく向上したことがわかります。
また、電通が2022年4月に発表した「第5回SDGsに関する生活調査」では、全国10代から70代の男女1,400人中、認知度は86.0%となりました。
2021年1月に実施した同様の調査と比較すると、30ポイント以上数字が伸びています。
上記2社以外のデータも調べてみましたが、おおよそ80%前後でした。そのため、2019年と比較すると、認知度は高まり続けているといえそうです。
なお、日本の認知度が向上した理由としては、テレビやWebのニュース、テレビCM、新聞、会社、学校などを介して、SDGsの情報に触れる機会が増えたことが挙げられます。
SDGs認知度向上の次に現れた課題
世界中でSDGsの認知度が高まっている状況ですが、ここにきて新たな課題に直面しています。
中でも深刻なのは、2021年から進捗が滞っていることです。
世界経済フォーラムが発表した「The Global Risks Report 2022」によると、SDGsの進捗度を表す世界平均スコアが、2020年以降停滞気味だといいます。
調査データ反映に時間がかかるため、リアルタイムの状況は明らかにされていませんが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が多大な影響を与えたことは言うまでもありません。
また、別の原因として本項で取り上げたいのは、SDGs推進の難しさです。これは日本国内の中小企業向けの情報になりますが、1つ参考データをご紹介します。
2022年6月、株式会社ウィナスが従業員数300人以下の中小企業(人事部112名)を対象に、「中小企業人事におけるSDGs推進の悩みに関する実態調査」を実施しています。
それによると、自社のSDGs推進に関して悩みはあるかという問いに対し、「かなりある」22.4%、「ややある」56.2%といった回答結果になりました。
SDGs推進における、具体的な悩みの内訳(複数回答可)ベスト3は次のとおりです。
- 「SDGsへの取り組みを社内外に表現するのが難しい」73.9%
- 「自社の事業をSDGsと繋げるのが難しい」37.5%
- 「どのような取り組みをしたらいいかわからない」35.2%
この調査は人事部の従業員を対象に実施されたものですが、上記のような悩みを抱えているSDGs担当者は多いのではないでしょうか。
世界や日本の進捗度向上というと大きな話になりますが、それよりもまず、目の前の悩みを解決することが全体の進捗度向上につながるといえそうです。
【まとめ】SDGsを「知っている」から「取り組んでいる」のフェーズへ
2019年頃まで、日本のSDGs認知度の低さは問題視されてきました。しかし、現在はその課題を乗り越えつつあり、新たな段階に突入しています。それは、SDGsについて「知っている」から「取り組んでいる」という段階に入ったということです。
もし、SDGsに取り組んでいる最中に悩みを抱えたときは、国内外問わず、あらゆる情報に目を向けてみましょう。特にSDGsの達成度が高い北欧諸国の取り組み事例は、参考になるはずです。