SDGs先進国デンマークの取り組みとは?日本との違いも解説
デンマークは、世界の中でも特にSDGsの達成度が高いことで知られています。本記事では、デンマークにおけるSDGsの取り組みとともに、デンマークの達成度が高い理由や日本との違い、日本がこれからすべきことなども解説します。
デンマークでSDGsの取り組みが進んでいる背景
まずは、デンマークにおけるSDGsの取り組みについて、その状況や事例、特徴などを解説します。
デンマークのSDGsの世界的な位置付け
ドイツのベルテルスマン財団とSDSN(持続可能な開発ソリューション・ネットワーク)は、SDGsの達成状況に関するレポートを1年に1度発行しています。
それによると、デンマークのSDGs達成状況は、現在世界でトップ3に入るレベルであり、世界屈指のSDGs先進国であると言えます。
なぜデンマークはSDGsの取り組みが進んでいるのか
なぜデンマークはSDGsの取り組みが進んでいるのか、その大きな理由はデンマークがSGDsが始まる前から環境問題やサステナブルへの意識が高かったことにあります。
デンマークは世界で初めてリサイクルに関する法律を制定した国であり、環境問題について常に先進的に行動してきました。
資源物のデポジットや、自転車などエコな乗り物での移動の推進など、これまでさまざまな取り組みを行っています。
また、SDGsに取り上げられているような世界的課題に、早い段階から国全体で取り組みを進めてきた点も、達成度の高さに表れているといえるでしょう。
デンマークで行われているSDGsの取り組み
ここからは、デンマークで実際に行われている、SDGsの主な取り組みを見ていきましょう。
全ての目標の達成を目指す「UN17 Village」
デンマークでは、SDGsで設定されている17の目標全ての達成を目指すためのエコな建築プロジェクト「UN17 Village」が行われています。
これは、2030年までに持続可能なエコビレッジを完成させるという内容で、2023年にコペンハーゲン南部に35,000平方メートルもの広大なビレッジが建築完了する予定です。
こちらのビレッジでは、建築物の屋根にソーラーパネルを取り付けたり、雨水を再利用したり、廃棄物を全てリサイクルしゴミ排出をゼロにしたり、多様な生き物の住みかとなる庭園を設置したりなど、さまざまな部分にSDGsを意識した工夫が凝らされます。
大幅に食品ロスを削減した「Too Good to go」
デンマークのSDGsに関する取り組みでもう1つ有名なのが、この「Too Good to go」です。
これは食品ロスの削減のため行われているサービスで、専用のアプリを利用し、余剰食品をリーズナブルに提供するという内容です。
余っている食品を廃棄する必要がなくなり、また食品を必要とする人が割安に得られるため、食品ロスとともに貧困問題の解消にもつながると考えられます。
このToo Good to goによって、デンマークの食品ロスは25%削減できたと言われており、SDGsへの貢献度が非常に高い取り組みです。
SDGsにおけるデンマークと日本の違い
日本でもSDGsに関する取り組みは行われていますが、その達成状況はまだまだ十分とは言えません。先述したSDGsの達成状況レポートにおいて日本は19位(2022年現在)、デンマークの達成度とは大きく開きがあります。
SDGsに関するデンマークと日本の大きな違いとして挙げられるのは、SDGsの意識の浸透です。
先に説明した通り、デンマークではSDGsが設定される以前からエコへの注目度が高く、国民もさまざまな取り組みに協力し、国全体でエコの問題に対応してきました。
一方、日本でもエコに関するさまざまな取り組みは行われていますが、それが国民にしっかり広がっているとは言い切れない状態です。SDGsはより良い世界にするため、世界中で取り組まなければならない目標。
しかし、世界的な課題であるがゆえ、「大きな問題に対して自分に一体何ができるのか」と戸惑っている日本人は少なくありません。その結果、まだSDGsに対する意識が不十分であり、なかなか貢献度にも現れてこないことが考えられます。
日本がこの状況を打開し、SDGsの達成度を上げていくためには、国民が皆SDGsを自分事ととらえ、身近な部分から行動できるよう、国・自治体・企業などが中心になり、よりわかりやすく積極的にSDGsの取り組みを発信・促進することが大切です。
【まとめ】デンマークに学び、SDGsの意識を高めるのが大事
デンマークに関しては、従来からのエコに対する意識の高さがSDGsの達成度の高さにもつながっています。
日本がこれからSDGsの達成度を高めていくためには、デンマークの取り組みなどを参考にしながら、国全体にSDGsを浸透させていくことが不可欠です。