フィンランドのSDGs取り組みは世界トップ!日本との違いも解説
SDGsへの取り組みは世界的な課題とされていますが、中でもフィンランドはその内容が上質で、世界におけるトップクラスの位置にあるとされています。ここではフィンランドが高く評価されている理由や、日本との違いについて解説していきます。
フィンランドがSDGsへの取り組みで上位にいる理由
フィンランドは北欧の国で、福祉制度が充実していることで知られています。
2021年度の消費税が24パーセントなど税率が高い国でもありますが、高額な税金がフィンランドの福祉制度を支えている事実は否定できません。
高い税金を払っているからこそ、充実した福祉制度が維持されていることを国民が自覚し、国も制度の維持に尽力しているのが特徴です。
そのことから、SDGsで示されている様々な問題を当事者意識で認識し、真摯な姿勢で取り組むことができています。
このような理由がベースにあることから、フィンランドは世界的に上位にいるといえそうです。
フィンランドが評価されているポイント
フィンランドの取り組みが高く評価されているポイントは、国民一人ひとりが当事者意識を持って取り組んでいる他、常に研究を怠らないところにあります。
フィンランドは環境先進国としても知られていますが、これは他国に先駆けて研究を重ね、資源リサイクルに取り組んでいたためです。
現在では、ほとんどの国で当たり前とされている空き缶やペットボトルのリサイクルは、フィンランドがその仕組みを確立したとされています。
また、食材の切りくずなど生ごみはそのまま廃棄せず、たい肥化させるなど、ごみを出さないことにも工夫を凝らしているのが特徴です。
他にもフィンランドでは、政府直営の研究所でSDGsの問題を解決するための研究に取り組んでいます。
そのような官民一体の真摯な取り組みも、世界的に同国が高く評価されているポイントです。
日本とフィンランドの違いについて
日本はフィンランドより当事者意識が低い
日本もSDGsに取り組み、国を挙げて様々な問題の解決方法を模索していますが、その姿勢はフィンランドに比べるとあまり評価されていません。
日本でのSDGsへの取り組みのうち、教育や産業及び技術、平和と公平性への取り組みは高評価なのに対し、気候変動やジェンダー平等、そしてパートナーシップなどの評価は、フィンランドと大きな差があります。
これは、平和が維持されている状態で成り立つ問題に対し、消極的になっているのが理由です。即座に生命の危機に関わる事柄ではないため、後回しにしがちなのかもしれません。
このような結果になった理由として、当事者意識の低さが挙げられます。日本は世界的に見ても経済や治安が安定した国であり、極端な貧困や不衛生な環境の放置などの問題が見られなかったのも事実です。
SDGsへの取り組みも切迫したものではないことから、フィンランドを含め、他国に後れをとっているといえます。
厳しい環境の中で育まれたフィンランドのエコ精神
フィンランドは北極に近い北欧の国であり、一年を通して冷涼な気候です。永久凍土もある他、国土の約70パーセントが森林となっています。
農業や畜産業に不向きな他、工業に必須な金属資源も決して多いとはいえず、厳しい環境であることは否定できません。
しかし、快適に暮らすことが難しい環境だからこそ、限られた資源を有効に活用して無駄を減らすエコロジカルな生活様式が定着しました。
SDGsへの取り組みにも合致した様式であることから、フィンランドはSDGsの考え方が広まる以前から、SDGsの第一人者だったのです。
そのことが、2022年世界ランキング1位獲得につながっているといえます。
【まとめ】フィンランドの取り組みは学ぶべき点が多い
フィンランドの取り組みが高く評価されているのは、これまでの研究の成果や、官民一体になって尽力しているためです。
福祉の精神が根付いたフィンランドでは当たり前とされている、当事者意識を持って向き合う姿勢は、日本にとって学ぶべき点が多いといえるでしょう。