SDGsは、なぜ2030年までなのか?わかりやすく解説
SDGsは、2030年までに達成しなければならない目標として掲げられています。そもそも、なぜ期限が2030年なのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、SDGsの目標が2030年になっている背景、SDGsを語るうえで欠かせないアジェンダ、日本の取り組みについて解説します。
SDGsは、なぜ目標期限を2030年にしているのか?
SDGsがなぜ2030年までなのかは、歴史的な背景を遡ってみるとわかります。簡単に確認しておきましょう。
SDGsが生まれた理由
SDGsは、MDGsと呼ばれるミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)の後継として生まれました。
ミレニアム開発目標は、環境の持続性や貧困・飢餓の解消などの8つの目標を掲げ、2000年の国連ミレニアム・サミットで定められたものです。
2015年を目標期限と定め、世界全体として協力を進める努力が続けられました。
その結果は、ミレニアム開発目標報告にまとめられており、厳しい貧困者の減少など、特定の分野では大きな成果を上げています。
ただし、2015年の時点ですべてを解決することはできず、さらに新たな課題も生まれてきました。
例を挙げると、貧困やジェンダー、紛争などの問題があり、それをうけポスト2015年開発アジェンダが、2013年の国連でテーマに挙げられたのです。
その後、2015年の国連サミットにおいて、ポスト2015開発アジェンダ採択のための議論が進められ、「われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が誕生。
それが、SDGsです。SDGsは、MDGsに続く次の15年間にやるべきこととして2015年に考えられたため、目標期限を2030年としたのです。
SDGsのアジェンダとは?
先ほど、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」という言葉がでてきました。
これは簡単にいうと、国際社会共通目標のことを指します。記載されている内容は、以下の引用文のとおりです。
平成28(2016)年から令和12(2030)年までの国際社会共通の目標です。序文、政治宣言、持続可能な開発目標(SDGs:17ゴール(下記)、169ターゲット)、実施手段、フォローアップ・レビューで構成されています。
引用:環境省「持続可能な開発のための2030アジェンダ/SDGs」
少し難しく感じてしまったかもしれませんが、シンプルにいうと「2015年から2030年にかけて、各国が何をしなければならないか?」を指針としてまとめているのが2030アジェンダです。
アジェンダではミレニアム開発目標にも触れていて、継続課題として必要な内容をSDGsに盛り込んだことも説明しています。
SDGsに対する日本の取り組み
2015年に採択されたアジェンダを受けて、日本はどのような取り組みをしているのでしょうか。
代表的なものは、政府主導で行っているジャパンSDGsアワードです。企業や各種団体、地方自治体などによる、積極的な取り組みを後押ししています。
また、地方自治体に対しては、SDGs未来都市の企画を推進。継続的に、持続可能な社会にするためのサポートをしています。
上記の取り組みは一例ですが、このような政府の動きによって企業の意識は変化しているようです。ミレニアム開発目標の時代に比べ、二酸化炭素排出削減などに取り組む企業が増加傾向にあります。
2022年6月に実施された、ベルテルスマン財団によるSDGs達成状況評価では、日本は163ヵ国中19位でした。
日本のGDPが世界3位ということを考慮すると、まだ十分とは言えませんが、積極的な姿勢が評価されている一面もあります。
実施基盤がようやく整い、国も企業もSDGs目標達成に向けて努力をしやすい環境となった日本。今後の取り組みが、さらに重要となりそうです。
【まとめ】SDGsは2030年以降も取り組みが重要
SDGsの目標期限は、MDGsの目標期限である15年間に倣ったといえそうです。2022年の段階で、SDGsの後継は決まっていませんが、2030年以降も世界は課題に取り組む必要があります。
2030年がまた新たな節目になり、社会状況を踏まえて新たなアジェンダが検討されそうです。