SDGsに向けたスウェーデンの取り組みとは?
サステナブルな社会の実現に向けて、世界各国でSDGsの達成に向けた様々な取り組みが行われています。
この記事では、数ある国の中でも特に積極的に取り組みを進めている、スウェーデンについて見ていくことにしましょう。
ゴミの削減に向けた取り組み
スウェーデンは、家庭ゴミのリサイクル率が99%という脅威的な数値を記録しています。
日本の数値が19%程度であるということと比べると、いかにリサイクルに力を入れているかがわかるでしょう。
このような高いリサイクル率を実現するために、同国では様々な取り組みを行っていますが、特に注目すべきなのはゴミの分別方法です。
具体的には、ゴミを100種類ものカテゴリーに分けて収集しており、その結果スムーズなリサイクルを実現しています。
日本人からすると、そんなに細かくゴミを分別するのは非現実的ではないかと思われるかもしれませんが、スウェーデンでは人々がストレスなく分別できるように様々な工夫を凝らしています。
たとえば、種類別に捨てられるように、街中の至るところにゴミ箱やリサイクルステーションなどが設置されています。
また、それらによって景観が害されることのないよう、1つひとつのゴミ箱はスタイリッシュなデザインになっているのです。
その他、人々が自分で分別用のゴミ箱を購入しないで済むように、希望すれば誰でも回収容器の貸し出しを受けられるという制度も導入しています。
教育の無償提供に向けた取り組み
SDGsに係る取り組みを積極的に推進するためには、重要性を人々がしっかりと理解することが欠かせません。
そのため、スウェーデンでは、学校教育の無償化にも取り組んでいます。
日本の小学校と中学校に相当する9年間を基礎学校と位置付けており、義務教育として国民は誰でも無償で学校に通えるようにしているのです。
また、高等学校や大学の授業料も無料です。学費の負担を気にせずに、高度な教育が受けられる国は珍しいといえます。
学費だけでなく、学生の居住費や低収入の家庭の生活費をサポートする、各種の奨学金制度が充実しているのも特徴の1つです。
一例を挙げると、フルタイムの学生は、約1万円の給付型奨学金や約2万5千円の返済型奨学金を毎週受給できます。
これらを受給するための所得制限は設けられていませんが、一定以上の単位取得が受給条件となっているため、学生は一生懸命勉強しなければなりません。
このように、単に教育費を無償化するだけでなく、どうすれば人々の勉強のモチベーションを高められるのか、考慮して制度設計を行っているのです。
ジェンダーレスに向けた取り組み
スウェーデンでは、ジェンダーレスな社会を実現するための取り組みも盛んに行われています。
国の資金で運営する「ジェンダーニュートラル」をコンセプトとした幼稚園の運営は、その一例です。
また、社会における偏見をなくすために、教育カリキュラムにLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなどの性的マイノリティの総称)を取り扱う授業が組み込まれているのも特徴的です。
政府としてもジェンダーレスを推進すべく、男女平等大臣を設けるといった取り組みを行っており、同国では大臣や国会議員の男女比はほぼ半々となってます。
【まとめ】先進的なスウェーデンを参考に!
スウェーデンの取り組みは、世界でも先進的です。日本も見習うべきものが数多くあります。
この機会にその内容を参考にしながら、自らの現状に置き換え、実践してみるとよいでしょう。