企業がSDGsに取り組まないことによるデメリットとは?

メディアや街中などで、よく見かけるようになったSDGs。大企業が中心となって取り組んでいますが、その一方で、SDGsの意味やメリットを正しく理解しておらず、取り組みが思わしくない企業もあるようです。

万が一、このままSDGsに取り組まなかった場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。この記事では、SDGsに取り組まないことによるデメリット、まだSDGsに取り組んでいない企業の割合など、詳しく解説していきます。

SDGsに取り組んでいない企業の割合

2022年「帝国データバンク」の調査によると、SDGsの意味や重要性を理解して取り組んでいる企業は23.6%でした。つまり、76.4%の企業はSDGsの意味や重要性を理解していないまま取り組んでいるか、そもそも取り組んでいません

また同調査は、SDGsに消極的な企業の割合も発表しており、大企業31.4%、中小企業51.1%、小規模企業58.0%でした。

消極的な姿勢の割合を産業別に見ると不動産業が58.6%と最も消極的で、卸売業51.5%、小売業49.9%と続きます。

SDGsに取り組まないことによる3つのデメリット

企業がSDGsに取り組まないデメリットとして、ここでは3つ取り上げます。

  • 企業としての信用低下
  • ESG評価の低下
  • 新商品や新サービスを開発するチャンスのロス

企業としての信用低下

博報堂の調査によると、製品を購入する時にSDGsを意識する人は80%以上存在することがわかっています。

特に70代はサステナブルな購買意識が高く、「環境や社会に悪い影響を与える商品は買わない」75.3%、「環境や社会に悪い影響を与える企業の商品は買わない」70.4%と回答しました。

つまり、地球上で抱える、あらゆる問題の解決に消極的な企業だと見られた場合、売上減少や企業としての信用低下につながる可能性があるのです。

ESG評価の低下

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス( Governance)の頭文字を取った言葉です。この3つは、持続可能な社会を実現するために必要な観点として注目を集めています。

SDGsに取り組むと、必然的にESGに配慮した経営をすることになります。逆にSDGsに取り組んでいない場合、それがなされていないという評価が下されることになるのです。

ここでもう1つ触れておきたいのは、近年注目を浴びている「ESG投資」です。ESG投資とは、環境問題や社会問題に取り組む企業に重視して行う投資のことを指します。

SDGsに取り組まないと、こうした投資にアピールすることができず、資金調達などにおいて不利です。

新商品や新サービスを開発するチャンスのロス

SDGsに取り組まないことは、新商品や新サービス開発のチャンスを失うことにもなります。具体例を挙げてみましょう。

たとえば、SDGs目標3で定められたターゲット6に「交通事故により負傷者を減らす」というものがあります。この目標に取り組むために、多くの企業が自動運転やロボットの開発に力を入れました。

それにより数々のアイデアが生まれ、新しい商品やサービスが誕生したのです。SDGsに取り組まない場合、このようなチャンスを失います。企業の業績にマイナスの影響を与えることは言うまでもありません。

デメリットは理解している!でも、SDGsの導入が進まないときどうしたらいい?

SDGsに取り組まないことによるデメリットは理解していても社内事情などから一歩踏み出せないケースはよくあります。ここでは参考事例として、広告代理店「DACグループ」のエピソードをご紹介しましょう。

DACグループは、新しいビジネスチャンスと社内外コミュニケーションの手段として、SDGsに取り組むことを考えました。しかし、実際に取り組み始めたところ、さまざまな障壁が立ちはだかったのです。

  • 代表取締役をはじめ役員に対して詳細を説明し、承認を得る必要があった。
  • 社内におけるSDGs浸透度を測るため、全社員にアンケートを数回実施しなければならなかった。
  • 取り組みを推進させるために、協力的な社員を募集、勧誘する取り組みが必要だった。
  • 社員への啓蒙活動が欠かせなかった。

上記は一例ですが、同社はこの1つひとつに時間と手間を掛け、地道に取り組んだそうです。

それらのことが功を奏し、徐々に社員にSDGsが浸透。最終的には、SDGsに取り組む姿勢を、ステークホルダーにアピールできるようにもなったといいます。

各企業で、SDGsの導入が進まない理由は異なります。しかし、DACグループの生きた事例は、参考になるはずです。

SDGsを導入しないデメリットを理解しているにもかかわらず、社内事情で進捗が滞ったときは、活用してみてはいかがでしょうか。

【まとめ】着手しないデメリットを理解し、SDGsに取り組もう!

年々、SDGsが世の中に浸透していく中で、企業として取り組まないと取り残される危険が生じます。あとからSDGsに取り組む利点に気づき、慌てて準備を始めても遅すぎる可能性があるでしょう。

この記事でご紹介した情報は、ほんの一部にすぎません。ほんの少し時間を作って、まずはSDGsの基本から学び始めてみてはいかがでしょうか。