SDGsは意味ないと思われてしまうのはなぜか?
近年、SDGsに積極的に取り組んでいる企業が増えていますが、中には取り組んでも意味がないと感じている人も多いようです。
この記事では、SDGsには意味がないと感じてしまう理由や、SDGsに取り組むメリットなど詳しく解説します。
SDGsに取り組んでも「意味ない!」と感じてしまう理由とは?
まずは、SDGsに取り組んでも意味ないと感じてしまう、代表的な理由を見ていきます。
1つは、SDGsの本質を理解していないことです。
一時のブームのように感じてしまい、「別にそこまで詳しく知る必要はない」と、SDGsの本質を知るところまで至らないことが関係しています。
また、メディアなどで「SDGsに積極的に取り組んでいる!」とアピールする企業が増えたこことで、お金儲けの手段と感じる人が増えたことも、本質を知るまでに至らない原因だといえるでしょう。
もう1つは、手間をかけてもすぐに目に見えた成果が出るわけではないため、本当に意味があるのかわからなくなりがちだからです。
たとえば、SDGsへの取り組みの中に環境保護に関連する内容があります。
リサイクルするために「ペットボトル」「ダンボール」「雑誌」「アルミ缶」など細かく分別することなどが挙げられます。
これらの分類をする際、意外に手間がかかります。そのわりに、売上などに直結する成果がすぐに表れるわけではないため、取り組んでも意味がないと感じてしまうことがあるのです。
まずはSDGsに取り組むメリットを知ろう
本当にSDGsに取り組む意味はないのかというと、そのようなことはありません。ここでは3つのメリットについて見ていきます。
1つめは、企業イメージの向上につながることです。
2019年に博報堂が調査した結果によると、全国20代から60代の男女6,000名のうち、約70%から80%の人たちは「環境・社会に悪影響を与える商品、または企業からは購入しない」「環境・社会に配慮した商品を購入したい」と回答しています。
前者は社会に悪い印象を与え、後者はその逆であるといえるでしょう。つまり、SDGsに積極的に取り組むと、環境・社会に関心を持つ会社だとアピールできるのです。その結果、企業イメージが向上することにつながります。
2つめは、ビジネスチャンスに恵まれやすくなることです。
SDGsには17項目の目標がありますが、それぞれの目標の市場規模は異なるといわれています。デロイトトーマツコンサルティング合同会社が2017年12月に発表した資料によると、各目標の市場規模は70兆円から最大800兆円ほどです。
これだけの市場規模があるということは、SDGsに取り組むと、ビジネスチャンスに恵まれやすくなるともいえます。
3つめは、コスト削減につながりやすいことです。
最近、SDGsの一環として、積極的に省エネに取り組む企業が増えています。
省エネに取り組むといっても、エアコンの設定温度を高めに設定したり、社員が使用していないオフィスの電気をこまめに消したり、休憩中にパソコンをスリープモードにするなど、すぐに取り組めることばかりです。
このような行動は、常に発生する電気代の削減にも貢献できます。
ここでご紹介したSDGsに取り組むメリットは、ほんの一例です。
実際にSDGsに取り組んでいる企業の事例を見ると、さらに具体的なメリットを理解しやすくなります。やがて理解が深まることで「SDGsに取り組む意味はない」とは言えなくなるでしょう。
ペットボトル飲料をアルミ缶へ!無印良品が取り組むSDGs
企業がSDGsに積極的に取り組んだ意味のある事例として、無印良品のケースを見ていきます。
同社では、販売するペットボトル飲料のボトルを、プラスチック容器からアルミ缶に変更しました。
それには2つの理由があります。
1つは、プラスチックゴミによる海洋汚染が問題になっていたからです。
日本では、プラスチックゴミは分別してリサイクルすることになっていますが、実際には焼却処分したり海外に輸出して処分したりしているケースがあります。
この問題を解決するには、そもそもプラスチックゴミを出さない取り組みが求められていたのです。
もう1つは、プラスチック容器よりも、アルミ缶のリサイクル率のほうが高いからです。
アルミ缶は、国内でのリサイクル率が97.9%だといわれています。先に触れたとおり、プラスチックのリサイクル率は低いため、同社はそこに着目したのです。
販売している全てのペットボトルをアルミ缶へ変更したところ、プラスチックの使用量の削減だけでなくCO2排出量削減にも成功しました。
【まとめ】SDGsの狙いを正しく理解しよう!
SDGsの本当の狙いは、持続可能な経済成長を実現して貧富の差をなくすことや、未来の地球環境を守ることです。SDGsに関する情報を少しかじって「取り組んでも意味はない」と考えるのは早計といえます。
本記事をきっかけに、まずはSDGsの本質を正しく理解することから始めてみてください。そのうえで、節電やリサイクルなど、できることからコツコツと取り組むことが大切です。