SDGs検定とは?ビジネスに関係あるの?
食糧不足やエネルギー不足、地球温暖化などの問題に危機感を抱き、2015年の国連で採択されたのがSDGs(持続可能な開発目標)です。現在、日本では、SDGsへの理解を深める目的で、SDGs検定を受ける人が緩やかに増えつつあります。
基本理解や世界の情勢などの知識が身につく検定ですが、具体的な内容はどのようなものなのでしょうか。今回はSDGs検定に注目して、検定の内容や合格するメリット、事業へ活かす方法などをご紹介します。
SDGs検定とは?
SDGs検定とは、一般社団法人SDGs検定推進士業協会が主催している検定試験のことです。学歴・年齢・性別・国籍を問わずに受験ができます。
受験費用(税込)は、5500円です。この検定の目的は、受験者が試験を通じてsdgsに関する基本的な知識を学ぶことで、各目標で課題となることや取り組みなどを理解することにあります。
2019年から始まり、年に3~4回の頻度で試験が実施されており、試験はオンライン上で行われるため、地方に住んでいる人も自宅から受験が可能です。
受験で推奨される環境は、パソコン(windows・Macintosh)だけで、スマートフォンとタブレットは対応していません。申込みをしたら、対象となるOSおよびブラウザのバージョンを利用できるのか確認しましょう。
試験が始まる際には、登録時に決定されたIDとPWを用いてログインをします。連絡用に登録するメールアドレスは、携帯キャリアメールは使えない場合もあるので注意してください。
メールアドレスは、後日に合否の結果が届くので間違いがないように入力する必要があります。
SDGs検定の出題範囲は?
出題の範囲については、SDGsの定義や歴史、ゴール・ターゲットの内容、取り組みなどです。
SDGs検定推進士業協会では参考図書を紹介していますが、本の内容がそのまま出るわけではありません。国連の出しているデータや関連する書籍なども合わせて学習し、試験当日に備えるのがポイントです。
SDGs検定の合格率は?
SDGs検定は、公表されているデータによると合格率がおおよそ20%台です。新しい検定試験であり、傾向を学べるような公式の過去問が出ていないなどの理由もあって、合格率はやや低めといえます。
ただし、高い回には40%を越えることもありました。あまり合格率のことは気にせず、参考図書やSDGsに関するニュースなどによく目を通しながら、試験に備えておくことが大事です。
なお、試験問題は選択式50問で、試験時間は90分です。回答の70%以上が正解であれば合格できます。
合格率次第で合格点を調整することもあるため、余裕を持って合格点よりも上の点数を目指したほうがよいでしょう。
SDGs検定を受験するメリットと事業への活かし方
SDGs検定は、個人で受けるのであれば就職や転職がそれほど有利になる民間資格とはいえません。
しかし、中小・零細企業の経営者やSDGsの担当者であれば話が変わるでしょう。企業は自社の利益を増やすことだけに専念していればいい時代ではなく、社会への貢献度を問われるようになりました。
環境や人のことを考えた取り組みをする企業が、高く評価される時代です。SDGs検定に経営者やSDGs担当者が合格していれば、本気で社会に貢献しようとしていることをアピールできます。
すると社外の人間から評価されるだけでなく、従業員のモチベーションを高める効果も期待できるでしょう。
たとえばWebサイトやパンフレットなどに、SDGs検定の合格者がいることを掲載すれば、SDGs関連の事業を獲得しやすくなります。
他にもメリットを挙げるとすれば、効率化があります。
検定合格者がSDGs検定で学んだことを多くの人に伝えることができれば、人々の意識が変わって商品の製造で無駄な工程を省いたりオフィスの節電などを積極的にしたりするでしょう。
一つひとつは小さな努力ですが、積み重ねれば大幅なコスト削減に繋がります。コスト削減に成功すれば、結果として利益は増えるわけです。
また、効率化は資源の無駄遣いを防ぐだけでなく、人が働きやすい環境をつくる上でも重要です。残業が多かったり有給が取りにくかったりする職場は、従業員の負担が大きくなり離職率が高まる傾向があります。
そこでSDGsの知識を活かして、業務の効率化を図ることで、従業員の残業を減らし有給を取りやすくします。
そうすれば、職場は格段に居心地がよくなりますし、離職率が高いことで悩んでいた企業も人が定着するようになって、人材の育成がしやすくなるはずです。
【まとめ】SDGs検定は企業の未来につながる
中小零細企業だとSDGsのことを気にする余裕がないと思うかもしれません。しかし、それでは時代の変化に取り残されて、事業が行き詰まる可能性があります。
実際にSDGs検定に合格するに越したことはありませんが、そこで知ったことや得た知識は、企業の未来を切り開くことに活かせるはずです。この機会に、SDGs検定に関する詳細に目を通してみてはいかがでしょうか。