SDGsへの取り組みの評価が高い企業ランキング2022って何?

毎年、SDGsへの取り組みを評価するランキングが発表されています。このランキングは毎年大手企業が選出されており、中小企業は対象になっていません。そもそも、ランキングで評価される企業は、そうではない企業と何が違うのでしょうか。

そこで今回は、SDGsへの取り組み評価が高いランキング2022について取り上げながら、トップ10の解説、SDGs取り組み高評価の企業は何が違うのかなどについて解説します。

SDGs取り組み高評価!企業ランキング2022トップ10

「SDGsへの取り組みの評価が高い企業ランキング」は、ブランド総合研究所が実施しています。

企業のSDGsへの取り組みがどれくらい一般消費者に認知・評価されているかをランキング化したもので、2022年度の調査の対象となった企業は大手企業260社でした。

また、アンケート対象となったのは、20歳以上の男女22,554人です。

2022年度版SDGsへの取り組み評価が高い企業ランキングのトップ10は、以下の結果となりました。

1位:トヨタ自動車
2位:イオン
3位:ユニクロ
4位:日産自動車
5位:サントリー
6位:パナソニック
7位:スターバックス
8位:日本マクドナルド
9位:アサヒビール
10位:無印良品

これらはSDGsに関する設問として、SDGsの認知、企業のSDGs取組評価、17ゴール別の評価、情報入手経路、ESGイメージ5項目、企業評価に関する設問は企業認知、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲の5項目の合計10項目をポイントで評価し、ランキング化したものです。

ちなみにESGとはEnvironment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス)の頭文字を取った言葉を指します。

Environmentはエコなど環境への配慮、Socialはハラスメントへの対処、男女平等への取り組み、ガバナンスは法令遵守や情報開示などに関する取り組みのことです。

SDGs取り組み高評価の企業は何が違う?

ランキングには高ポイントを獲得しやすい項目が存在しており、その項目に力を入れている企業が上位にランクインしやすい仕組みとなっています。

例を挙げると、「15.陸の豊かさを守ろう」「12.作る責任、使う責任」「16.平和と公正をすべての人に」「8.働きがいも、経済成長も」といった目標は、ポイントを稼ぎやすくなっているのです。

これらの目標への取り組みに力を入れると、SDGs評価が相対的に高くなる傾向にあります。

SDGs取り組み高評価の企業は、そうではない企業と比べると、上記の仕組みを深く理解しているという違いがあるのです。

ちなみに、SDGsには17のゴール(目標)がありますが、上位企業が必ずといってよいほど評価を受けている目標は「8.働きがいも、経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」の2つです。

先の2項目で1位を獲得したのは、総合ランキングで1位を獲得したトヨタ自動車となっています。

SDGs取り組み評価ランキングは鵜呑みにしないほうがいい?

SDGs取り組み評価ランキングは、鵜呑みにしないほうがよいでしょう。なぜなら、ランキングは「SDGsへの取り組みがどのくらい世間に知られているか?」を評価したものに過ぎないからです。

そもそも、上位企業の大半は、SDGsへの取り組みに関する広報活動に力を入れています。取り組みの質に関係なく、「SDGsに取り組んでいる」ということだけが独り歩きしてしまうのです。

企業を批判するわけではありませんが、上位にランクインしている企業が、必ずしも質の高い取り組みを実施しているとはかぎりません

逆に、SDGsへの取り組みを実施しているものの、広報活動に力を入れていないことから、世間に評価されていない企業も存在するわけです。

以上のことから、SDGs取り組み評価ランキングは、世間から見てSDGsに力を入れていると評価されている企業ランキングと捉えるのがよいでしょう。

【まとめ】SDGs評価ランキングは参考程度に留める

SDGs評価ランキングは、特定の企業がSDGsに取り組んでいるかどうかを知るには便利な情報です。しかし、これまでお伝えしてきたとおり、順位の高さと活動の質の高さは関係がありません。

ランキング結果は参考程度に留め、各企業が行っている実際の活動内容をチェックすることが大事です。企業のWebサイトなどで積極的に活動内容を公開しているケースがあるため、それらに目を通すことをお勧めします。