SDGs目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」の概要と日本の課題
SDGsを成功させるには、各国の政府や民間企業、個人が連携を図ったり、支援し合ったりする必要があります。その具体的な方法を目標に落とし込み、まとめたのがSDGs目標17です。
この記事では、目標17の概要を取り上げながら、設置されているターゲット、日本の課題について詳しく見ていきます。目標17の基本を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
SDGs 目標17とは?
SDGs目標17のテーマは、「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」です。
これは、世界や国内、地域、地方単位で、パートナーシップを強化し、SDGsの目標をともに達成していくことを目指しています。
その背景にある課題は、次のとおりです。
- 発展途上国への資金援助
- 発展途上国と先進国のあいだにある技術の格差
- 公平性にかける貿易
- 政府や民間の協力体制の強化
- SDGs達成状況を測るためのデータ不足 etc.
数多くの課題がありますが、ここでは発展途上国への資金援助について取り上げます。
ODA(政府開発援助)の正味総額は、新型コロナウイルス感染症の援助を受け、過去最高の1,776億ドルでした。
2018年の正味総額は1,490億ドルだったことを考えると、改善傾向にあるように見えます。
しかし、国連が発表した「2030 アジェンダの資金調達に関する国連事務総長の戦略」によると、開発途上国がSDGs達成のために要する資金は、年間で約2.5~3兆ドル不足すると予測しています。
課題解決までの道のりは、未だ遠いといえそうです。他の課題に関しても同様に、今すぐ解決に至るものではありません。
一人ひとりが国際協力を進め、グローバル・パートナーシップを活性化させていくこと。その先にあるのが、目標17で目指している世界です。
目標17のターゲットは?
目標17で設定されているターゲットは19項目あります。詳細は、以下の表のとおりです。
出典:SDGsジャーナル
SDGs目標17、日本の進捗は?
出典:SDGs media
上記の表は、SDGsの課題達成進捗度をまとめたものです。2017年から2022年までの日本の状況を知ることができます。
色分けされていますが、各色の意味は以下のとおりです。
- 緑:目標達成
- 黄色:課題あり
- オレンジ:重要な課題あり
- 赤:主要な課題あり
また、矢印は、進捗度を4パターンで表しています。横棒が記載されている箇所は、データなしという意味です。
目標17の行を見ると、2017年から2022年まで「主要な課題あり」という評価が続いていることがわかります。
ただし、右斜め上を指す矢印がついていることから、課題解決に向けて積極的に取り組んでいるようです。
日本が抱えている課題
日本が抱えている課題で深刻なのは、次の2つです。
- 金融秘密度スコアの高さ
- 国民総所得に含まれているODA(政府開発援助)の比率
金融秘密度スコアとは、世界各国の金融の不透明度をランク付けした指標のことです。
2011年から公開されており、金融秘密度スコアが高いほど、投資詐欺や脱税、マネーロンダリングが起こりやすいといわれています。
日本は3年連続で金融秘密度スコアの高さが指摘されている状況です。
まだ、国民総所得に含まれているODA(政府開発援助)の比率に関しても、SDGsレポートで指摘されました。
ODAの援助額には、0.7%という国際目標がありますが、日本は0.2%です。
日本よりもGDP(国内総生産)が小さいイギリスやドイツ、フランスと比較すると、ODAは少ない水準となっています。
それだけでなく、OECD/DAC加盟国の平均額と比べても、日本のODA援助額は低めです。
先に触れたとおり、日本は課題解決に向けて積極的に取り組んでいますが、さらなる改善が求められるといえます。
【まとめ】パートナーシップを築き、世界全体で課題達成へ
目標17では、これまで以上に先進国が途上国を支援したり、援助したりすることを求めています。そのために重要なのは、各国の政府や民間企業、市民社会が連携を図り、継続的に途上国を支援する体制づくりです。
現状として、先進国の強力は進んでいないといわれています。その状況を打開するためにも、まずは企業として誰とどのようなパートナーシップを築いていきたいのか、検討してみてはいかがでしょうか。