SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」の概要と日本の課題

SDGs目標15は、陸の豊かさに頂点を当てた目標です。これは、植物はもちろんのこと、陸で生息する生物なども含まれます。これらの豊かさを守るといっても、具体的にどのようなことに取り組んだらよいのでしょうか。

そこでこの記事では、目標15の概要を簡潔に取り上げながら、ターゲットや目標達成手段、日本が抱えている課題について解説していきます。

SDGs 目標15とは?

SDGs目標15のテーマは、「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の防止および回復、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」ことです。

文章がやや難しいため、わかりづらいかもしれませんが、簡単にいうと陸の生態系を保護し、本来の豊かさを大切にしましょうということです。

目標15の背景にある課題は次のとおりとなります。

  • 約数十年ほどで約4万種が絶滅の危機
  • 毎年1,000万ヘクタールの森林の破壊
  • 生物多様性の状況悪化
  • 許容範囲を超えた人間活動による砂漠化 etc.

厳しい言葉でいうと、人間が陸の生態系を歪めてしまったところがあるのは否めません。目標14と並び、課題が多分にあるのが目標15なのです。

目標15のターゲットは?

目標15で設定されているターゲットは10項目。そのうち、目標は7つ目標の達成手段は3つとなっています。

詳細は、以下の表のとおりです。

出典:SDGsジャーナル

SDGs目標15、日本の進捗は?

出典:SDGs media

上記の図は、2017年から2022年までの日本の進捗度をまとめたものです。色分けされていますが、各色の意味は以下のとおりとなります。

  • 緑:目標達成
  • 黄色:課題あり
  • オレンジ:重要な課題あり
  • 赤:主要な課題あり

矢印は、進捗度を4パターンで表しています。横棒が記載されている箇所は、データなしという意味です。

2022年を見ると、「主要な課題あり」とはなっていますが、前年よりも改善傾向にあることがわかります。

ただし、2018年から2020年までは課題をクリアしつつあったのに対し、2021年で評価が急に下がりました

そのため、先ほど改善傾向にあるとはいいましたが、なかなか課題をクリアできない厳しい状況が続いていると考えた方がよいといえます。

日本が抱えている課題

日本がSDGs目標15で抱えている問題として、早急な解決が必要なのは次の4つです。

  • 輸入に関連する地上や淡水生物多様化への脅威
  • レッドリスト(絶滅しかけている野生生物のリスト)
  • 地上の地区で保護されている平均占有面積
  • 淡水の地区で保護されている平均占有面積

日本は「恒久的な森林伐採」の点において改善が見られると評価されましたが、その他は停滞しているか悪化している状況となりました。

ここで注目したい日本の課題は、レッドリストです。予測を超える速さで、生物が絶滅危機にあるとされています。

一番の原因は生息地にあるといわれており、その環境を保全するだけでなく、生物の保護や生息域外保存にも積極的に取り組むことが課題です。

【まとめ】生物多様性や環境保全に目を向けてみる

地球では、生命が誕生してから大きな絶滅が5回あったといわれています。残念ながら、6回目が現代という声もあるようです。何か1つの種が絶滅した場合、その影響は他の種にも及びます。

これを機に、生物の多様性の保全活動に目を向けてみたり、環境と調和することに興味を持ったりしてみてはいかがでしょうか。そういった行動が、目標15への取り組みにつながるはずです。