SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の概要と日本の課題

世界で深刻化している気候変動。近年、日本でも異常気象や自然災害で甚大な被害が出ています。そのような気候変動に対し、具体的な対策を採るために設置されたのがSDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」です。

この記事では、SDGs目標13の概要、具体的なターゲット、日本の進捗状況や課題について詳しく解説していきます。SDGs目標13の基本を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

SDGs 目標13とは?

SDGs 目標13のテーマは「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を採る」こと。この背景には、さまざまな環境問題が深く関係しています。

もちろん、日本も例外ではありません。

たとえば、災害。国土交通省総合政策局が発表した「令和4年版国土交通白書 概要」によると、災害につながるような大雨や短時間に降る強雨が増えたのは、地球温暖化が関係している可能性が高いとされています。

また、国連広報センター「持続可能な開発目標(SDGs)報告2022」では、2015年から2030年までのあいだに、中・大規模の災害が4割ほど増加すると予測しているのです。

話はこれで終わりません。他にも、現状のまま対策を講じない場合、次のような未来が予測されています。

  • 2100年までに30~60cmほどの海面上昇
  • 海水温度1.5度上昇の場合、サンゴ礁の7~9割消滅危機
  • 2030年までに干ばつなどで約7億人が難民などになる可能性 etc.

これらの問題は、地球に住む私たち全員で取り組まなければならない大きな問題です。その具体的な取り組み方法や、達成手段をまとめたのが、SDGs目標13といえます。

目標13のターゲットは?

目標13で設定されているターゲットは5つです。そのうち、目標は3つ、目標の達成手段は2つとなっています。

詳細は、以下の表のとおりです。

出典:SDGsジャーナル

SDGs目標13、日本の進捗は?

出典:SDGs media

2022年における日本の進捗度は、上記の表のとおりです。表の見方について、簡単に解説します。

各色の意味は以下のとおりです。

  • 緑:目標達成
  • 黄色:課題あり
  • オレンジ:重要な課題あり
  • 赤:主要な課題あり

なお、矢印は、進捗度を表しています。横棒が記載されている箇所は、データなしという意味です。

ここで、目標13の行を見てください。日本は2017年から評価が低く、2022年までのあいだで一度も「主要な課題あり」から抜け出せていません

ただし、矢印が右斜め上を向いていることから、改善傾向にはあるようです。

日本が抱えている課題

日本が早急に対応しなければならない指標は3つあります。

  • 炭素価格(CO21トン60ユーロで算出した場合)
  • 化石燃料やセメント生産に起因する二酸化炭素排出量
  • 輸入に起因する二酸化炭素排出量

ここで注目したいのは、日本の二酸化炭素排出量です。現在、削減に取り組んでいますが、課題が多く残されています

外務省のデータによると、2018年の段階で約10億8000トン排出しており、これは世界第5位の水準です。

万が一、現状のまま削減に取り組まなかった場合、地球温暖化は加速化し、20世紀末と比較すると21世紀末は気温が3.4~5.4度前後上昇すると考えられています。

ようするに、気候変動がさらに悪化するわけです。これを受け、日本は2030年までに温室効果ガス排出削減目標をマイナス46%(2013年比)と定め、継続的に取り組むことを明言しています。

【まとめ】環境負荷緩和に取り組むことが重要

企業でSDGs目標13に取り組む場合、ペーパレスの推進、業務のデジタル化、温室効果ガス低減のための出張や外出の削減、照明や電灯設備のLED化、廃棄物削減などがあります。

すでにあらゆる企業が取り組んでいるため、そのような事例を参考にしながら、自社で取り組めることはないか模索してみてはいかがでしょうか。