SDGs日本の達成度と2022年ランクダウンの原因

日本は先進国であるものの、SDGsにおいて課題が多いのが現状です。2022年SDGs達成度ランキングでは、19位にランクダウンしてしまいました。

なぜ、なかなか成果が上がらないのでしょうか。この記事では、2022年SDGs達成度ランキングの詳細、ランクダウンしている原因、今後の日本に必要なことについて解説します。

SDGs2022年!日本のランキングと達成度は?

国連の研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」は、SDGsの17の目標に対する達成度合いを国・地域別に示した「持続可能な開発レポート」を毎年発表しています。

2022年6月発表のランキングでは、日本は国連に加盟する163カ国のうち19位となり、前年から1ランク順位と落としました。

ちなみに、1位フィンランド、2位デンマーク、3位スウェーデンと北欧諸国が上位となっており、前年に比べると日本より下位であったラトビア(22位から14位)やスペイン(20位から16位)などがランクアップしています。

日本ランクダウンの原因とは?

SDGの17目標それぞれの達成度合いから、ランクダウンの原因を見ていきます。

日本は、「(目標4)質の高い教育をみんなに」「(目標9)産業と技術革新の基盤を作ろう」「(目標16)平和と公正をすべての人に」の項目で達成済みと評価されました。

一方で「重要な課題がある」項目として、「(目標2)飢餓をゼロに」「(目標7)エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「(目標10)人や国の不平等をなくそう」が挙げられています。

さらに「深刻な課題がある」項目として、「(目標5)ジェンダー平等を実現しよう」「(目標12)つくる責任、つかう責任」「(目標13)気候変動に具体的な対策を」「(目標14)海の豊かさを守ろう」「(目標15)陸の豊かさを守ろう」「(目標17)パートナーシップで目標を達成しよう」の6つの目標が未達成と評価されました。

特に、「(目標12)つくる責任、つかう責任」は、前回の「重要な課題がある」から「深刻な課題にある」へと評価値を下げられており、ランクダウンの主な要因となっています。

SDGsにおいて日本の評価が低い3つの要因

1.「つくる責任 つかう責任」の課題

前述したとおり、日本は「(目標12)つくる責任 つかう責任」において大きな課題を抱えています。

電子機器の廃棄量が多く、新しく評価基準に加わったプラスチックごみの輸出量増加が原因の1つです。

飲食店での紙製ストローの導入や、スーパーやコンビニでのビニール袋の有料化が実施されていますが、他国に比べるとまだ改善すべき点が多いといえます。

2.環境問題への取り組みの甘さ

「(目標13)気候変動に具体的な対策を」では、「化石燃料使用などによる二酸化炭素(CO2)排出量」「輸入品に含まれるCO2排出量」の多さなどが評価を押し下げています

過ごしやすい快適な環境整備が進む都心部では、エネルギー消費量が多く、クリーンエネルギーの活用が少ないことも要因だといえそうです。

また、「(目標14)海の豊かさを守ろう」「(目標15)陸の豊かさを守ろう」においては、ごみ削減の問題や持続可能な環境維持への取り組みが十分ではないことへの指摘とも見て取れます。

使い捨ての商品が多く、パッケージもしっかりしている日本の製品は、持続可能な社会という観点では改善すべき課題が多々あるといえそうです。

3.ジェンダー平等が遅れている

「(目標5)ジェンダー平等を実現しよう」は、「女性国会議員の割合」が少ないこと、「賃金のジェンダー格差」の2つの指標が低評価につながっています。

日本では同性婚が認められていなかったり、一般企業において女性管理職が少なかったりと、以前から指摘されている事項が改善できていないことも要因の1つです。

【まとめ】SDGs達成度ランクアップのために、出来ることから始めよう

日本は「質の高い教育」や「技術革新」「平和」の部分では、高い評価を受けています。その一方で、環境に関わる問題やジェンダー平等において、大きな課題を抱えているのが現状です。

持続可能な社会づくりに向けて、一人ひとりが国際的な流れに合わせた、新しい価値基準を受け入れていくことが重要なのかもしれません。