SDGs未来都市とは?概要とメリットをわかりやすく解説!

SDGsの目標を推進すべく、内閣府が2018年から始めた「SDGs未来都市」。人口減少が問題となっている日本において、地方創生にもつながるこの制度は、今後ますます注目されるといわれています。

そこでこの記事では、「SDGs未来都市」の概要とメリット、選定されるまでの流れについて見ていきましょう。

SDGs未来都市の概要と選定都市

「SDGs未来都市」とは、以前からある「環境モデル都市」「環境未来都市」という2つの制度にSDGsの目標を取り入れ、さらに発展させたものです。順番に解説していきます。

環境モデル都市とは

「環境モデル都市」は、地域資源をできる限り活用し、低炭素社会と持続可能な社会実現に向けて、温室効果ガスの削減など高い目標を掲げて取り組む地域・都市(自治体)を日本政府が選定する制度です。現在までに合計23都市が選ばれています。

環境未来都市とは

「環境未来都市」とは、「環境モデル都市」に加えて、「環境」「社会」「経済」の3つの価値創造と実現を目指し、取り組む地域・都市(自治体)を選定する制度です。

「環境モデル都市」を基盤として、「環境・超高齢化対応等に向けた、人間中心の新たな価値を創造する都市」「誰もが暮らしたいまち」「誰もが活力あるまち」の実現を目指す自治体を選定。現在までに11都市・地域が認定されています。

 SDGs未来都市とは

「SDGs未来都市」とは、地方創生の推進を目的として、内閣府が2018年度からはじめた認定制度です。

「環境モデル都市」「環境未来都市」の考え方に加え、地方創生につながるSDGs達成に向けた取り組みを積極的に進める自治体(都市)を公募し、選定しています。

SDGsの目標達成は世界的な課題であり、日本全体の課題でもあります。それを構成する地方も、積極的に取り組む必要があるのです。

加えて、SDGsに取り組むことにより、人口減少や地域経済の縮小に歯止めをかけ、持続可能なまちづくりを進めることにもつながります。

内閣府は、毎年30都市程度を新たに選定しており、2021年時点では全国で124都市(125自治体)が選ばれています。さらに2024年にまでに累計210都市を選定することを目指しています

SDGs未来都市に選定されるメリット

「SDGs未来都市」に選定されると、地方にはどのようなメリットがあるのでしょうか。簡単にいうと、「政府からの支援、フォローが受けられる」「ステークホルダーとの連携が期待できる」ことです。

「SDGs未来都市」に選定された都市は、「自治体SDGs推進関係省庁タスクフォース」による強力な支援が受けられます。

各省庁からの助言や、成功事例の国内外への発信支援などがあるため、自治体が世界的に注目されるチャンスが広がるのです。

さらに内閣府は、未来都市の中でも毎年特に優れている10都市を「自治体SDGsモデル事業」に選定しており、選ばれた自治体は国からの補助金が支給されます。

この資金を使って、ステークホルダーとの連携強化を図ることが可能です。

SDGs未来都市に選定されるまでの流れ

「SDGs未来都市」の認定は内閣府が行っており、SDGsの17の目標と達成基準をベースとしたSDGsの方針に沿っているか、さらに地方創生に効果的な取り組みであるかなどが評価基準となっています。

各自治体が公募してきた開発計画などを吟味し、将来性や推進体制、実現の可能性などの項目を点数化して判断されるのです。そのうえで、委員による意見なども加え、最終選定に至ります。

2021年度は提案した51の地方自治体のうち、31の自治体が選定されました。この結果をみると選定される可能性は比較的高いものの、提案する自治体の数は限定的で、自治体内で提案をまとめ上げることが難しいと考えられます。

人口減少が目立つ地方は増え続けていることから、世界的に注目される都市にするために、労力をかけても推進していく価値は十分にありそうです。

【まとめ】SDGs未来都市は地方創生につながる

今回は「SDGs未来都市」の概要とメリット、選定されるまでの流れを解説しました。

SDGsへの取り組みを推進して「SDGs未来都市」に選定されると、政府からの支援が受けられ、世界的な注目が得られる可能性があります。

地方創生は、人口減少が進む日本にとって大きな課題です。自社で地域活性化を目指している場合、把握しておきたい制度といえるのではないでしょうか。