SDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」とは?ターゲットや日本の課題などを解説
SDGsは、世界中の人々が安心して暮らし続けるために達成すべき目標です。国だけでなく、多数の企業や団体なども積極的に取り組み始めているため、「SDGsなんて知らない!」とは言えなくなってきました。
ですからSDGsの基礎情報だけでも学びたい人が増えていますが、17の目標に分かれているなど情報量が多く、一度に理解するのは困難だといえるでしょう。そこでこの記事では、目標5に絞って詳しく解説していきます。
SDGs目標5とは?
SDGsの目標5は、ジェンダー平等の実現です。世界の中には、男性が優位な立場におかれる国もあり、そういった国では女性が健康に過ごすことすら難しい場合があります。
また一部の国において、一生学校に通えない女の子は、男の子の約2倍もいるという調査結果も存在します。
このような世界が抱えるジェンダーに関する問題を解決し、男女平等の実現を目指すための内容が、SDGsの目標5で提示されているのです。
女性や女の子の能力を伸ばして可能性を広げるためにも、目標5は非常に重要だといえます。
目標5のターゲットとは?
目標5は、具体的に6つのターゲットに分かれています。詳細は以下の表のとおりです。
出典:SDGsジャーナル
たとえば、「全ての女性と女の子の差別をなくす」「全ての女性や女の子への暴力をなくす」は、女性や女の子を売買したり、性的な目的などのために一方的に利用したりすることなどをなくすのを指しています。
3つ目のターゲットにも触れておきましょう。世界には女の子の早すぎる結婚や強制的な結婚、女性器を刃物で切りとる慣習などがあります。ターゲット3は、そういった習わしなどをなくすために設けられました。
最後の6つ目のターゲットは、「性と生殖に関する健康と権利が守られるようにする」となっています。
これは国際人口・開発会議の行動計画や北京行動綱領とそれらの検証会議の成果文書に従って、実現を目指していくものです。
SDGs目標5における日本の評価や現状は?
出典:SDGs media
上記の表は、SDGsの各目標における日本の進捗度です。色分けされていますが、詳細は以下のとおりです。
緑:目標達成
黄色:課題あり
オレンジ:重要な課題あり
赤:主要な課題あり
また、矢印は進捗の動向や変化を4パターンで表しています。横棒が記載されている箇所は、データなしという意味です。
2022年の進捗度を見ると、2017年から「主要な課題あり」という評価になっていることがわかります。
ただし、2021年、2022年に関しては、進捗を表す矢印が右斜め上を向いているため、少しずつ課題をクリアしているといえそうです。
SDGs目標5の日本の課題とは?
SDGsの目標5であるジェンダー平等の実現のために、日本はどのくらい進んでいるのかここで確認しておきましょう。
2021年に世界経済フォーラムが公表した「世界ジェンダーギャップ指数」を見ると、日本は156カ国中120位となっています。「世界ジェンダーギャップ指数」は、男女の社会的・文化的な格差を示したもので、日本の120位という結果は非常に低い水準です。
特に政治・経済の分野のスコアが低く、例えば衆議院の女性議員比率は9.7%と男女で大きな差があります。他にも男性の家事や育児にあてる時間が少ない、女性の大学進学率が男性よりも低いといったことも日本の抱える問題です。
以上のような現状を踏まえると、日本はまだまだジェンダー平等の実現は進んでいないといえるでしょう。ジェンダー平等の実現のために、まず日本は女性の国会議員や閣僚の割合を増やす必要があります。
女性の首脳を誕生させることも、大きな課題です。大学進学に関しては、女性よりも男性の方の合格点を低く設定している大学もあり、こういった不平等は直ちになくさなければなりません。
男性の家事や育児への参加に関しては、企業が男性の育児休暇取得を積極的に促すようにするべきでしょう。女性が出産後に職場復帰しやすいような環境作りや指導的地位に女性を置くことも、日本のジェンダー平等の実現のための大きな課題です。
【まとめ】SDGsの目標5を正しく理解しよう
SDGsの目標5を理解することは、ビジネスにおいて重要です。日本ではジェンダー平等の実現はまだまだ遠いため、企業も女性の雇用を増やす、男性の家事や育児への参加を促す制度を作るなど、できることを行っていく必要があります。
この記事を読んでみて、自社で実現できそうなことは見つかったでしょうか。もし見つからなかったとしても、これを機にぜひ考えてみてください。その一歩が、SDGsの積極的な取り組みにつながっていくはずです。