中小企業がSDGsに取り組む際の問題点とは?
中小企業がSDGsに取り組む場合、積極的に時間を設けてSDGsの基礎を学ぶ余裕がなく「具体的に何をすればよいかわからない」という問題点を抱えることが予想されます。
そのような問題を抱えた際、どのように解決していけばよいのでしょうか。今回の記事では、中小企業がSDGsに取り組む際、抱えがちな問題点について取り上げながら、具体的な解消法を紹介します。
中小企業にありがち?ミスマッチなSDGs目標設定
SDGsで定められている17の目標に目を通してみると、どれもグローバルで壮大な課題であるように感じられ「海外進出しているような企業でなければ、やれることはないのではないか?」と感じてしまう方もいるかもしれません。その場合、自社に関係のある目標設定がうまくいかず、SDGsに取り組めないという問題が発生することがあります。
あるいは、人員や資金面に余裕がないことから、SDGsに多くの時間(人件費)や活動費用を掛けられず、目標設定に至らないことで悩むケースもあるかもしれません。そのような問題を抱えていると、いつまで経ってもSDGsの取り組みが思うように進まない事態に陥ってしまいがちです。
SDGsの17の目標には、中小企業がすぐに取り組むのは難しいものが含まれていることは否めません。しかし、目標設定でつまづかないためには、たとえばSDGsの目標「13番:気候変動対策に取り組む」のように、企業規模、業界に関わらず取り組みやすい目標を選ぶことが大切だといえます。
気候変動対策であれば、工場で使う材料等についてリサイクル可能なものを使用し、環境への負荷を軽減する、などといった小さなことから始めやすいからです。
つまりポイントは、17の目標について理解することから始め、自社にとって取り組みやすい目標を選ぶこと。中小企業は特定の分野に特化している企業も多く、そういった企業の強みを活かせるような目標であれば取り組みやすいはずです。
なお、環境省のホームページでは「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」が公開されています。こちらのガイドでは、具体的な取り組み事例などについての記載もありますので参考になるはずです。
中小企業がSDGsに取り組む際のポイント
SDGsの活動については、何をすれば正解というものはないといえます。だからこそ何をすればよいかがわかりにくく、難しく感じられることもあるかもしれません。
もし、自社に関係のある目標設定がうまくいかないときは、いったんその話は脇に置き、可能な限り担当者を任命するのがよいでしょう。
SDGsの理解度は従業員によってさまざまですので、そのような人たちが集まって話し合いを重ねても、活動が先に進まない可能性があるからです。いっそのこと、SDGs専門の担当者を決めてその人に任せてしまったほうが、目標設定がスムーズにいく可能性が高まります。
また、SDGs担当者は実際の活動を主導しながら、必要に応じて社員向けにSDGsの知識を広めたり、企業ホームページなどで自社の活動の進捗状況などを報告することもポイントです。そうやって企業でSDGsに取り組むことにより、企業イメージの向上や他社との差別化を図ることも期待できるでしょう。
最初は手探り状態で活動を始めることもあるかもしれません。それでも定期的に活動内容をチェックしたり、報告会を開いたりしていくうちに、徐々にSDGsの活動は充実していくはずです。
余力があれば目標を年度のたびに設定し、年度が終わるごとに活動中の課題を洗い出して、次年度の目標設定に反映していくのも一考です。SDGsにまつわる活動が、より積極的になっていくでしょう。
つまるところ、企業にとって負担となるような活動から始める必要はないのです。できる範囲で小さなことから始め、改善を重ねながら活動の質を高めていくのが理想的といえます。
【まとめ】SDGs問題解決には自社に合った目標設定が大切!
中小企業が充実したSDGs関連の活動をしていくためには、負担にならない範囲でそれぞれの企業に適した目標を選ぶことが大切です。
もし、何らかの問題点が出てきたら、適切な目標を選択しているかチェックしてみてください。そのようにして、1つひとつクリアしていけば、SDGsの活動は実りあるものとなっていくでしょう。