なぜSDGsは17項目なのか?設定された理由や経緯を解説!
持続可能な開発目標「Sustainable Development Goals(SDGs)」は、2015年9月25日に国連総会で定められました。地球の環境破壊を止め、国際的なパートナーシップを深めていくために、欠かすことのできない役割を果たしています。
その中で、目標として定められたのが17項目。これらは一体、どのような内容なのでしょうか?この記事では、SDGsの目標である17項目について解説します。
SDGsの17項目!概要と目標が設定された理由
17項目とは?
SDGsには、17項目の目標が定められています。さらに169の達成基準と232の指標も決められており、国連加盟国は2030年までに達成を目指すことになっているのです。
以下に、17項目の目標をまとめました。1つひとつの概要については、それぞれ別ページで解説します。ここでは、目標のみをまとめましたので参考にしてください。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
17項目が定められた理由とは?
SDGsの目標の重要性を伝えるために、国際連合広報センターでは「なぜ大切か」というフライヤーを制作しています。これは、世界中の言葉に翻訳されており、その中で17項目ごとに「なぜ大切か」の理由を明記しています。
17項目に共通しているポイントは、「世界中の問題は現在進行形であること」「他国の問題も自国につながっていること」です。ある国の経済が貧困、不平等などによって停滞すれば、他国は無関係でいられません。
政治的な緊張状態が生まれ、紛争が始まる可能性も高まるでしょう。さらに、貿易への悪影響が出れば、貧困の連鎖が起こってしまいます。
17項目はどれも緊急性が高く、国際的な影響が大きいものばかりです。エネルギーや気候変動といった問題は一部の国だけが意識しても、悪化を止められるものではありません。
あるいは、貧困や飢餓の解消においても諸国の協力が必須だといえるでしょう。ようするに、地球に生きるすべての人々が当事者意識を持てるようにという観点から、17項目になったのです。
SDGsはどうやって決められた?採択されるまでの経緯を解説
SDGsが決められた2015年以前も、国連は地球環境や世界経済に関する取り組みを行ってきました。それがSDGsという形になった理由を理解するためには、知っておかなければならない流れや背景があります。以下、SDGs採択までの流れを説明します。
SDGs以前の取り組み
そもそも国連の共通目標では、「ミレニアム開発目標」が有名でした。ミレニアム開発目標は2000年9月、ミレニアムサミットで採択されています。その内容は、貧困撲滅やジェンダー平等などを掲げた8つの目標から成立していました。ミレニアム開発目標に対して、193の全国連加盟国と23の国際機関が2015年までの達成に合意しています。
しかし、2015年になっても達成状況は完全といえるものではありませんでした。たとえば、サブサハラアフリカでは人口の4割程度が依然、極度の貧困状態にあります。世界の5歳未満児死亡率の減少も、目標達成には至りませんでした。
その状況をうけ国連はミレニアム開発目標に代わる、新しい国際的な共通目標の採択を迫られるようになったのです。
ミレニアム開発目標からの変化
SDGsはミレニアム開発目標の8つに対し、より具体的な17の目標を掲げています。たとえば、環境問題だけでも目標6、7、11、13、14,15と分けられているのです。これは、2000年からの15年間で、環境や社会のあり方が変容したことを反映しています。
さらに、差別や教育についての問題も、人々の意識が変わるにつれて多様化していきました。SDGsはミレニアム開発目標よりも、さまざまな層に訴えかける内容となる必要があったのです。
イラク戦争や中東で繰り返された紛争など、国家間の新たな緊張状態も2000~2015年で生まれました。SDGsは平和の意味を見つめ直し、国同士が協力し合う大切さも改めて訴えかけているのです。
【まとめ】SDGsの17項目は「どう生きるべきか?」の指針でもある
SDGsの目標17項目は、2030年までの間に人々がどう生きるべきかの指針を示してくれているともいえます。また、これらの目標を達成するには、日本政府や企業をはじめ、個人も協力していく必要があるでしょう。
これを機に、SDGsについてより深く学び、日常や仕事に取り入れてみてはいかがでしょうか。