SDGsに取り組む企業のメリットとデメリットとは?

企業がSDGsに取り組む際、メリットだけでなくデメリットもあります。しかし、初めてSDGsを導入する場合、それらのことは詳しくわからないものです。

そこで今回は、SDGsに企業が取り組む際、最低限、把握しておきたいメリットとデメリットについてお伝えします

SDGsに取り組む3つのメリット

企業イメージの向上

企業がSDGsに取り組むメリットとして第一に挙げられるのは、企業イメージの向上です。SDGsを構成する17の目標は、世界が抱えている課題から作られているため、自社の利益追求だけでなく「社会的責任を果たす企業」というイメージ創出に繋がりやすいのです。

また、企業イメージが向上すれば、従業員のモチベーションアップや、人材確保に役立つ可能性もあるといえます。

ビジネスチャンスになりやすい

2020年に一般財団法人日本立地センターが実施した調査結果によると、SDGsにビジネスチャンスを感じている企業は多いものの、実際に活かしている企業は中小企業500社中14.6%に留まりました。

つまり、持続可能な社会を考慮した新規事業や商品、サービスをつくれば、新しいビジネスチャンスを生み、競合他社から一歩リードすることにつながるのです。

資金調達がしやすい

SDGsに取り組んでいる企業は、ESG投資による資金調達で有利に働くといわれています。ESGは、環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の略です。

2006年、国連は投資家に「企業へ投資をする際、その判断材料としてESCを取り入れること」を提唱しています。ようするに、企業規模に関係なく、経営の方針にSEDsを導入しておけば、資金調達を得やすくなるのです。

SDGsに取り組む3つのデメリット

コストがかかる

持続可能な商品、あるいはサービスなどの開発を行えば、長期的にコストダウンを図ることはできます。しかし、短期的に見ると、一時的にコストが増加する可能性はあるでしょう。

なぜなら、従業員の業務量の増加や、新たな人材の補充が求められるケースがあるからです。そのため、事前にどのくらいコストが発生するのか、予測を立てておく必要があります。

従業員に負担がかかる

SDGsへの取り組みは、企業としては新たなプロジェクトがはじまることを意味します。現状の業務に加えて、従業員の業務負担が増えることもあるでしょう。社内の負荷にどう対応していくのかも、大事な要件となってくるのです。

SDGsウォッシュによる批判の可能性がある

「SDGsウォッシュ」とは、企業イメージを上げるために、実態がない取り組みをアピールする行為のことを指します。現在、SDGsに関する目標を掲げているだけで、実際の活動が疎かになっている企業は少なくないようです。

「SDGsウォッシュ」による批判に巻き込まれないためにも、活動内容を明確化し、コンスタントに取り組みをアピールする必要があるでしょう。

SDGsに積極的な企業は、今後さらに増える!

SDGsの推進に取り組む企業は、年々増加傾向にあります。帝国データバンクが2022年に行った「SDGsに関する企業の意識調査」では、前年の調査より12.5ポイント多い52.2%の企業が「SDGsに積極的」な姿勢を示しました。

企業規模別で見ると、大企業は68.6%、中小企業は48.9%です。この結果からもわかるとおり、中小企業の数値は低めですが、同社の別のデータによるとSDGsに取り組む企業のうち66.5%は効果を実感しています。

この動きは、今後多くの企業に影響を与えると予測されていることもあり、SDGsに積極的な中小企業はこれから益々増えていくでしょう。

【まとめ】SDGsのデメリットも理解して積極的な取り組みを

今回は、SDGsに取り組む企業のメリットとデメリットについてお伝えしました。デメリットというとネガティブに捉えがちですが、概要を把握しておけば、いたずらに恐れる必要はありません。

本文で触れたとおり、積極的にSDGsに取り組む企業は年々増加しています。この流れに乗り遅れないように、できることからはじめていきたいものです。