SDGs目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」について解説してみた!
8つのターゲットで構成されたSDGs9つ目の目標「産業と技術革新の基盤をつくろう」。すでに日本は達成しているように見えますが、未だ実現できていない箇所があります。
そこでこの記事では、9つ目の目標の概要、ターゲットや実現法の詳細に触れながら、日本の現状、課題について詳しく見ていきましょう。
SDGs 目標9とは?
SDGs目標9は「産業と技術革新の基盤をつくろう」です。これにはさらに、「強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」という世界共通のテーマが設けられています。
インフラとは、社会的な設備や施設の他、水道、ガス、電力、インターネット、電話などのサービスのことです。
これらの設備や施設、サービスは、日々技術が進化しているだけでなく、私たちが生活していううえで欠かせないものとなっています。
何か1つ使えなくなるだけでも、不便さやストレスを感じるといえるでしょう。
だからこそ、自然災害などが原因で甚大な被害に見舞われた場合、すぐに復旧できる仕組み、構造をつくっておくことが重要です。
また、一部の国や地域では、現在もインフラ設備が整っていない状況にあります。
UNICEFが公開している「持続可能な開発目標ファクトシート」によると、安全な水を手に入れることができない人は約8億人、電気供給が不安定な中で生活している人は約26億人など、インフラ未設備問題は山積みです。
以上の背景を踏まえてつくられたのが、SDGs目標9なのです。
目標9のターゲットとは?
目標9のターゲットは8つあります。これらの内訳は、5つの達成目標と3つの実現方法です。覚える必要はありませんが、自社に取り入れることができる目標や実現方法はないか、表を見ながら検討してみてください。
出典:SDGsジャーナル
目標9、日本はどこまで進んでる?最大の課題とは?
出典:SDGs media
上記の表は、SDGsの各目標における日本の進捗度です。色分けされていますが、詳細は以下のとおりです。
緑:目標達成
黄色:課題あり
オレンジ:重要な課題あり
赤:主要な課題あり
また、矢印は進捗の動向や変化を4パターンで表しています。横棒が記載されている箇所は、データなしという意味です。
2022年の日本の進捗度を見ると、2017年から2022年にかけて目標を達成していることがわかります。
また、矢印も課題をクリアし続けている様子を示しており、とても好ましい状態であるといえるでしょう。
とはいえ、手放しで喜べる状態ではないといえます。日本にはまだ、クリアしなければならない課題があるからです。
日本が抱える2つの課題
ここでは、日本が抱える代表的な課題について見ていきます。1つは、イノベーション力の低さです。
世界知的所有権機関(WIPO)発表のイノベーション力ランキング(インフラ設備への評価も含まれている)によると、2022年の日本の順位は世界ランク13位でした。
これは、2021年と同様の結果です。インフラ設備では高評価を得ましたが、上位国であるスイスやアメリカ、スウェーデン、イギリス、オランダ等に差をつけられています。
もう1つは、IT人材の不足です。経済産業省によると、2030年までに最大79万人不足すると推測されています。
あくまでも最大ですので、必ず79万人不足すると決まったわけではありません。しかし、日本では少子高齢化が加速化していることもあり、あながち非現実的な数字とは言えなくなってきました。
ITは、インフラ設備やサービスにおいて、今後も重要な役割を果たすものです。そこに携わる人材の育成や確保をどうするのか、課題解決が急がれます。
【まとめ】産業発展と技術革新は、他の目標達成にもつながる!
目標9を掘り下げて見ていくと、単なるインフラ設備の普及や技術向上を目指しているわけではないことがわかります。
インフラが整うことで、目標1「貧困をなくそう」や「目標2飢餓をゼロに」など、他の目標の課題を解決することにもなるのです。
国や地域、立場などによって、それぞれ抱えている課題に違いはありますが、今日から自社でできることを、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。